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相続税と贈与税のミニ知識

税務の豆知識

今回は相続税と贈与税の関係性についての内容です。
贈与税は相続税を補完する位置づけにあります。相続税は人が亡くなり、亡くなった方の遺産を受け継ぐときに税負担が発生します。

では亡くなる前の生前に全財産を渡してしまえば、亡くなった時の遺産はゼロになりますから相続税の負担もなしとなってしまいます。それでは財産の移転が生前と亡くなった後で税金が課税されるかどうかが変わってしまうので、生前に財産を渡したときは贈与税が課税されるのです。

ちなみに主な国税として法人税(法人に係る税金)は法人税法、所得税(個人に係る税金)は所得税法、相続税は相続税法とそれぞれの税金の規範となる法律がありますが、贈与税は贈与税法ではなく、相続税を補完する位置づけにあるため相続税法の中に贈与税に関することが盛り込まれています。

上記のように贈与税は相続税を免れないようにと考えられた税金なので、相続税より贈与税の税率は高くなっています。ただ数年前から、高齢者が保有する財産を早めに次の世代へ円滑に移転させる観点などから、通常の贈与税より税負担が軽い相続時精算課税制度や住宅取得のための資金贈与を受けた時の特例などが制定されてきています。

贈与税の負担が軽くなる特例等は、計算すると納税額がゼロになる場合でも必ず申告が必要となります。身内の中での財産の移転だからと安易に考えないようご注意ください。