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贈与税~相続時精算課税~

税務の豆知識

贈与税の課税方法には【暦年課税】と【相続時精算課税】という2種類の方法があります。
前回【暦年課税】でしたので、今回は【相続時精算課税】の方法についてみていきます。
【暦年課税】についてはこちらのブログをご覧ください →https://holy-zei.jp/437/

相続時精算課税は贈与税の特例の規定で、原則として60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の子又は孫に対し財産を贈与した場合に選択できる制度です。
暦年課税よりは贈与税の税負担が軽減される場合が多いですが、贈与者が亡くなり相続が発生した時には、相続時精算課税を選択した贈与財産も相続財産に加算して相続税の計算がされる仕組みになっています。

相続時精算課税の贈与税の計算は複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額2500万円)を控除した後の金額に20%の税率を乗じて計算します。
特別控除額は1年ごとに2500万円という控除ができるわけではなく、相続時精算課税に係る贈与者からの贈与に対して通年で2500万円控除ができます。

例えば
●H27年に相続時精算課税に係る父から1000万円の贈与
1000万円-1000万円(特別控除額)=0  ∴贈与税額0円
●H28年に同じく父から1200万円の贈与
1200万円-1200万円(特別控除額)=0  ∴贈与税額0円
●H29年に同じく父から800万円の贈与
800万円-300万円(特別控除額:2500万円-1000万円(H27年控除済)-1200万円(H28年控除済))×20%=100万円

贈与を受ける受贈者は贈与者ごとに相続時精算課税を選択することが可能です。
父からの贈与は相続時精算課税を選択し、母からの贈与は選択しないで暦年課税で計算するといった具合です。
相続時精算課税を選択したい場合は必ず贈与税の申告期限内に≪相続時精算課税選択届出書≫を受贈者の戸籍謄本など一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出しなければいけません。

なお一度選択した相続時精算課税を暦年課税に変更することはできませんので、選択するか迷われるときにはお気軽にご相談ください。